佐相宏明です、はじめまして。

学生トライアスリート佐相宏明の試行錯誤の記録です。

"Today's workout" for 17/11/11

Swim

400TT 4’58”(1’09, 1’15, 1’17, 1’16)

→14kmJog

https://connect.garmin.com/modern/activity/2325465331

 

Strength

Benchpress

55kg*10reps*1set

45*10*2

47.5*10*2

 

Squat

60kg*10reps*2types*1set

70*10*1(split)*1

80*10*1*1

90*10*1*2

100*10*1*1

 

Deadlift

50kg*10reps*1set

etc

 

 

 

この時期の400mはいつもこのタイム。シーズン中より10秒ほど遅い。5分超えると思っていたのでまずまず。

ジョグ14km、身体は疲れていたが昨日のポイント練のおかげで、関節がよく動くようになっていた。最後少しだけ耐える。

日曜、月曜と練習できない見込みがあるので、昼寝の後ジムでしっかりおもりを持ち上げる。アメフトやってた友達に聞くところ、重いの先にあげて少しずつ落としていたらしい。なのでベンチを55kgスタート。体重見えてきたな。

 

昨日の続き。

http://asia.ironman.com/triathlon/news/articles/2016/12/better-bike-splits-start-now.aspx#axzz4y7QwUue6

  1. ウェイトトレーニング

   「バイクに乗ることの重要な補完要素」。動的で複数の関節を動員するメニューが好ましい。例としてはスクワット、ランジ、デッドリフトが挙げられている。こうした動きを習得することで、まずは速筋を上手に使って大きい出力を出せるようになる。高い出力を出すトレーニングを出来るようになることで、エンデュランスゾーンでのパフォーマンスも上がる、としている。

 

 

  1. 柔軟性

「身体は1つの結合体であって、股関節周りの筋肉を鍛えることで柔軟性と神経筋の整合性が高まる。身体が柔らかくなることで身体のバランスがよくなってケガのリスクが減る。」

 

背中―腰の柔軟性は本当に大事です。骨盤がロックしてしまうと全く走れなくなります・・・。

 

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  1. モチベーションを維持すること

チームメイトのしゅーぞーがすごくいいこと言ってた。

「練習量ってモチベーションにも関係してくると思うんですよね」

なるほど。「モチベーション→練習量」の正の因果関係が存在するのは明らかだが、「練習量→モチベーション」の影響もある。これは負の因果関係だ。つまり、モチベーションが高いほど練習量が増える。しかし練習量が増えすぎるとモチベーションが下がる。なので、この2つの経路がちょうどバランスして安定するところがあるはずである。そこが最適水準なのだろう。

コンスタントに練習を続けたいなら一度に詰め込み過ぎちゃダメ、って表現すれば至って普通のこと。

"Today's workout" for 17/11/10

Run

1000*4(5’)

お腹すいてたのでパワージェルのバナナ味を飲んでからスタート。バナナって甘いフルーツだから、ジェルにしても味が自然で、飲みやすい。

4本走りきれたことが及第点。やはりスピードは出ていないけどそれはここからの話。

https://connect.garmin.com/modern/activity/2324416439

 

 

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さて、ちょうど1年前のオフィシャルサイトの記事「冬にバイクを強くする方法」から。6つのアドバイスが掲載されていて、最初の3つはバイクを使ったトレーニングで気をつけるべきこと、残りの3つはバイクに乗る以外の方法について書かれている。

 

  1. 賢くトレーニングすること

冬に練習量を増やすことは難しいので、短時間~中時間のインターバル練習でFTP向上に取り組むことを薦めている。

 

  1. 大きいギアを使ってインターバル練習をすること

最大心拍数の70~80%程度、ケイデンス70くらいになる高強度インターバルを取り入れることを推奨している。筋力と出力の向上に役立つらしい。

 

  1. 室内トレーニングも活用すること

ローラーでのトレーニングを通じて、身体的のみならず精神的タフさを身につけられるとしている。「安全だし、データを収集できるし、条件を整えられる」―そうですよね、ローラーのよさはそこにあると思う。

 

残りの3つについては次回紹介します。

 

"Today's workout" for 17/11/09

スイム

main

100*4(1’30”) H

50*4(50”)

Polo 8min*5set

スピード出ないのはレースとウェイトの影響かな。このままでは週末の400TTでは5分切れないな。

 

Weight training

Squit

60kg*10reps*2(normal, split)*3sets

80*10*2*3

100*10*1*1

 

Benchpress

40kg*10reps

45*10*3

 

Deadlift

50kg*10reps*2sets

60*10*3

70*6*3

 


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トライアスロンにおけるウェイトトレーニングの必要性については、オフィシャルサイトの記事でも触れられています。

http://asia.ironman.com/triathlon/news/articles/2015/11/tri-coach-should-i-strength-train.aspx#axzz4xvAmXPzW

なぜ必要かというと

 

・効率的に動けるようにするため

・筋トレを通じて筋肉群や構造の理解が進み、自分が行うべきトレーニングを把握することができる

・怪我を回避しバランスのとれた身体を手に入れるため

・(ホルモンが分泌されるから)気分転換として有効

 

中でも「全身鍛えろ」「ウェイトトレーニングは全てのスポーツで必要」だったりと、言われてみればそんな気がすることばかり。

 

スイム練でプロテインを飲んでしまっていたため、ジムに寄ったあと何も食べずに自走で家に向かうと、帰宅する頃にはフラフラ・・・。家に入ると、ちょうどパワースポーツ様から送っていただいたプロテインプラスが到着していました。


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スペースをとらないし、水がなくても摂取できるプロテインは外出時に最適。ジェルもしっかり携帯するようにしよう。

 

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ありがとうございます!

アイアンマン世界選手権遠征記⑦ー山のような果物と次の挑戦

10/15

9:00

自然と目が覚める。今日やろうと決めていたことがある。

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 次回のアイアンマンは2018年の6月3日、場所はフィリピンだ。

就職活動の解禁は6月1日だし、修士論文だってある。しかしそういう制約を乗り越えて、また挑戦したいと思える舞台だった。

 

18:00

アワードパーティが始まる。

レース後のパーティーではコナブルワリーのビールが提供される。フルーティーでどれも美味しい。我々は車での移動である。しかし今日は安心して飲めるのだ。

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昨晩のこと、4人のメッセンジャーにて

 

エース「谷本先生、血尿出た・・・」

谷本先生「多分バイク乗ってる時、尿道の一部が損傷したんだろうね」

谷本先生「ただ、腎臓に問題がある可能性も否定できないから、帰国したら精密検査ね」

 

レース後に一度血液検査を受けておくと安心だ。皆生の後、自分も受けた。筋肉や内臓が酷使された形跡は見られたが、それ以外は特に問題がなかった。

 

谷本先生「あと、禁酒ね」

 

\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/

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 ということで、美味しいビールを飲みながら、肉と野菜を頬張る。

舞台では入賞選手の表彰はもちろん、ハワイの伝統舞踊のようなもの繰り広げられ、レースの総集編がスクリーンに映し出される。

 エース「おれだ!」

一同「えっ」

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ガッツリ映ってる。最後まで持ってる。

 

https://www.youtube.com/watch?v=rdCW_777CE8&feature=share&app=desktop

 

 

10/16

ハワイ観光。島中をレンタカーで走りまくる。時折路肩に寄せてのんびりする。

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まずは南端のサウスポイント。世界の果てのようなところだ。空も海もきれい。それにも増してすごいのが風だ。この写真を見てほしい。何がおきているかお分かりだろうか。 

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 木が斜めに、というか地面と平行に伸びているのだ。恒常的な強風のあまり、まっすぐ伸びていくことができなかったのだろう。バイクコースの風もすごかったが、ここではバイクに乗ることすらできないだろう。

 

島の内陸部は標高が高い。雲が足元くらいの高さだ。

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夜はマウナケアへ。移動中に日没時刻を迎えた。ちょうど雲の高さを越えたあたりだった。 

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一方その頃、「山なんて行かない!」と言い張って宿に残ったぽんさんは、冷蔵庫の中のありとあらゆる果物の皮をむきまくっていた。我々はその後食後のデザートには困らなくなる。むしろメインも程々にデザートにとりかからなくてはいけなくなった。

 

 

10/18

15:00

出国手続きを終え、一息ついたところで、選手3人から谷本先生への誕生日プレゼントを手渡す。

 

谷本先生の誕生日は10/19なのだが、搭乗中に日付変更線を越えることによって、この日を機内で迎えることになる。日本に到着する頃には19日の21時。36回目の誕生日はたった3時間なのだ。ここにも持ってる人いた。 

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 随分とおつかれのようです。

 

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時速300kmで飛び出した飛行機の窓から、コナの街が見える。今振り返ってみれば、結果としては中途半端で、自然と悔しい気持ちもわいてくる。同年代では11位。10位の選手との差は5秒だった。意味のある指標ではないかもしれないが、日本人で2位。1つの目標だったサブ10は達成したが、その差はたったの150秒だった。また来年もここに来られるだろうか、疲労困憊の身体とは裏腹に少し高揚した気持ちの中、飛行機はハワイを離れて太平洋のはるか向こうの日本を目指すのだった。

 

長くなってしまった遠征記もこれにておしまいです。 

アイアンマン世界選手権遠征記⑥ーふたつの10時間

10/14

7:05

プロ男子、プロ女子に続いて本日3回目の号砲。1400人の選手が一斉に沖へ向かう。

 

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スイム(57:43)

この大会ではバトルが続く。おそらく、岸に戻ってくるまでずっと。国内ロングや他のアイアンマンだと、一斉スタートでも、500mくらい泳ぐと集団が落ち着く。1000mも泳げば見事に一列になって泳いでいることが多い。しかしここでは、自分の泳力はまさにボリュームゾーンあたりだ。気がつけば左右の身動きがとれなくなっている。

 

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予想通り、折り返して岸に戻るまで大なり小なりの集団で泳ぐ。しかしスイムアップすると希望的観測通りの57分台。テンションが上がる。

 

 

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バイク(5:10:12)

ユニフォームの背面と中殿筋あたりのポケットにパワージェルとトップスピードを詰め込む。入らない分はランポケに入れて、ゼッケンベルトような位置につける。

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よーく見ると腰あたりにベルト。パワージェルとトップスピードが入ったランポケ。

 5時間前後かと思っていたけど、少し時間がかかってしまった。90km通過が2時間28分、復路では向かい風に吹かれるとわかっていたので、この時点で5時間切りは難しいと察する。

 https://connect.garmin.com/modern/activity/2161788964

 パワーメーターをレースで使うことができたのは、実質的に今回が初めてだった。宮古島では計器トラブルがあり、皆生ではメカトラブルでペース配分どころではなくなってしまった。

初めて実戦投入した感想としては、レースにおけるパワーメーターは非常に強力だ。使い方はとても簡単で、標準パワーが200wになるように足を回すだけだ。瞬間パワーを表示させてもいいし、数字の変動を抑えるために3秒の平均パワーを選んでもいい。

(ラップ内の標準パワーが200wなら、その間ずっと200wで漕いでいたのと同じ負荷が身体にかかっていると解釈する。平均パワーは単純な算術平均)

何が便利かというと、基本的に出力だけ見ていればいいという点だ。もし出力が見られなかったとすると、心拍数や速度を見て、風の方向を確認して、その他の状況も鑑みて、実際のパフォーマンスと自分の主観にどれだけのズレがあるのか考えなくてはいけない。こういった面倒事を全て解消してくれるのがパワーメーターだ。

 

レースのパフォーマンス評価もしやすい。後からデータを振り返ってみると、前半をもっと抑えなくてはいけないようだ。相当数の選手に抜かれた気がするけど、もっとタラタラ漕いでいいらしい。後半30~40kmで、心拍は維持されているのに出力が出なくなってしまっている。リザルトとすり合わせると、この区間で前の選手とタイム差が生まれている。もう1ランクレベルを上げるなら、ターゲットはここだと思う。

 

順番が前後してしまうが、レースペースの出力は「FTP×係数(0.6~0.8)」で算出する。自分の場合なら、FTP:300w-×0.7≒200wという計算式だ。FTPは春先に計測してそれ以降は自動計算任せ、体感としては少し落ちていると感じたので、少し保険をかけた数字にしてある。

 

プロカテゴリーの「スーパーバイカー」と呼ばれる選手は、係数が0.8前後になるらしい。恐ろしい。

 http://www.triathlete.com/2017/11/bike/analysis-lionel-sanders-kona-power-file_308086

 総合2位、バイクラップ2位のサンダースのデータ。折り返しに向かうまでの2時間では係数0.81。「バイクラップを取る選手の目安0.8をわずかながらに越える数値」らしい。風向きもあるにしても、バイクレコードが更新されたのも納得。

 

 

ラン(3:40:02)

この半年で一番強化してきたつもりのパート。結局ここで4時間もかけるわけにはいかないので、バイクの終盤はランに向けての準備時間とする。ランポケに隠してあったパワージェルとトップスピードを飲み、出力を抑える。

 

いつもは920XTを付けて走るが、今回はVivoactiveHRでデータを記録した。一つ目の理由は、スイムでの接触がかなり多いと思ったので、大きめのウォッチは控えたほうがいいと思ったこと。無駄なバトルは避けたいので、バトルを誘発する可能性を極力下げたかった。T2に920XTwo置いておいておくことも考えたけど、付け忘れてスタートしてしまったり、着替え中に落としてなくしてしまう可能性もあると思った。二つ目は、光学式センサーでも満足なデータが取れると思ったこと。インターバル練習のように、心拍数の変動が大きい場面においては、心拍ベルトを使用したほうがいいと思っている。しかし今回のレースは基本的に一定ペースで展開する(はず)なので、光学式の心拍計でも十分なパフォーマンスが得られると思った。三つ目は自分のパフォーマンスに対する信頼で、大きいウォッチで逐一情報を確認せずとも、ある程度主観と実績値が一致すると感じていた。

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 T2でリアラインソックスを履き、リアラインインソール入りのCloudflowのヒモを締めて、最後の42kmに挑む。直前でCloudsurferからCloudflowにシューズを替えたのは正解だった。足が残っている。

序盤は思いの外、足が軽い。2年前と同じだ。エイドで止まって身体を冷やしたことを考慮すると、およそ4分30秒ペースで進んでいく。自分レベルのロングのランに関しては、ペース配分というものがあまり意味をなさないと思っている。前半のペースを抑えていても、後半に貯金を吐き出せるとは限らない。だから走れるうちに走っておく。

 https://connect.garmin.com/modern/activity/2113251941

 16kmを過ぎ、7%程度の激坂を越え、エナジーラボに向かうあたりから、徐々にペースが落ちていくのを感じる。この直後くらいからストライドが短くなっているらしい。

30kmを超えて折り返し、ペースは落ちているし足が前に出なくもなっているのだが、今シーズンで一番まともに走れている。チラッとランウォッチに目を落として計算すると、このまま踏ん張れば10時間をギリギリ切れるらしい。 

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 長かった1日もようやく一段落。最後は9時間57分台の表示を眺めながらゴール。

 

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 レース後に食べるピザはこんなにうまい。ピザを発明した人は偉大だ。

 

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  今シーズンは苦しいレースが続いた。宮古ではバイク残り30kmくらいからレースが一刻も早く終わることを願い続けたし、皆生ではスタートしてからわずか90分でレースが終わってしまった。

意気消沈してレース報告に行く度「少年よ、大いに悩みたまえ!」くらいの心の広さを持って接してくれる方や、トレーナーとして「次のレースではどうするか」を一緒に考えてくれた谷本先生がいて、慌てふためくことなくハワイに向けての準備を積み重ねることができた。

思い返してみれば、「慌てふためくことなく」というのが大事だった。例えば宮古島で失敗したからといって、週あたりトレーニング時間を2倍にする方針に切り替えていたら、間違いなく身体に不具合が出てしまっていただろう。生活上の効用も落ちてしまっていただろう。

トレーニング時間に関していうなら、自分には週あたり10~13時間が適切な水準だと思ってやってきた。回復のスピードを考えると練習量には適切な水準があるはずと考え、オフシーズンの実験の結果、週あたり13時間が上限と割り出された。

1日あたり平均2時間未満の練習時間(週末と平日で傾斜させて平日は1時間くらい)なら、学生のうちは間違いなく安定して時間を捻出できる。社会人になってからもある程度の水準で競技を続けられる可能性があると思っている。

 

「少年よ、大いに悩みたまえ!」タイプの方に恵まれているおかげで、こういった基本的な方針にコミットすることができて、その結果としてシーズンの最後にいいレースができた。

 

自分の中で、このレースの結果は単なる「単なるいいレース」とどまっていない。週10時間程度の短時間高強度のトレーニングでも、ロングのタフなコースである程度のタイムを出せることの証明だと思っている。

 

 

 23:30

エースやぽんさん、谷本先生と合流した後は、長い一日の後半戦。フィニッシュラインに続くカーペットが始まるあたりで応援する。強面で現れるおじいちゃんが、フィニッシュゲートをその目で確認して、報われたような笑顔を浮かべる地点だ。

アイアンマンのコンセプト”Every finisher is a winner”を実感できる時間である。

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25:00

帰宅。アイシングしながらピザとビールでパーティーが始まる。ビールを発明した人も偉大だな。

 

 

長い1日が終わりました。長い遠征記も、次回が最終回です。

アイアンマン世界選手権遠征記⑤ーミジンコとの戦い

10/12 7:30

今回の遠征で最大の粗相、それはふんどしとちょんまげを忘れたことである。

 

レースを前々日に控えた木曜日には、世にも奇妙なイベントが開かれる。その名を「アンダーパンツラン」という。コナの繁華街を1000人以上の男女が下着で走るイベントだ。

www.underpantsrun.org

 

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(http://www.underpantsrun.org/より)

 

もともとは海パンでレストランやお店に入っていく選手をどうにかしたい、というところから始まったらしい。そして、日本人はふんどしで参加するのが恒例となっている。

 

白状すると、10/10到着予定にしてポチったつもりでいたのだが、実際には10/18指定になっていた。佐川急便から送られてきた小包は、机の奥深くで、いまかいまかと出番を待ち続けています。

 

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困ったので、本当に困ったので、飯田橋によくおいでになる例のあの方に代打をお願いしました。

 

 

12:00

宿に帰って、谷本先生に直前のメンテナンスをお願いする。

 

佐相「肩を回すと少しツマりがあって

谷本先生「(動作チェックして)うん、クソだね」

 

佐相「足首がアレで」

谷本先生「(動作チェックして)うん、クソだね」

 

佐相「股関節が」

谷本先生「うん、クソだね(即答)」

 

そうです。レースを明後日に控えた僕の身体はクソです。

しかしこれは海外遠征につきものだと思う。時差調整などで、レースの5日くらい前に現地入りすることが多いと思う。現地に行くと、身体を動かしたくなるし、機材チェックなどの観点からも多少運動したほうがいい。

日本にいれば、金曜日にメンテナンスをしてもらって、次に身体を動かすのはレース当日、ということができる。しかし海外のレースとなるとそうもいかないのだ。たちの悪いことに、海を渡ってまで参加するレースこそ、万全の体調で臨みたいと思っている事が多い。

そんな中、今回のハワイ遠征に帯同してもらったのは、本当にありがたい。

 

佐相「明日軽く筋トレします。あと当日朝はテープをこことここにおなしゃす」

谷本先生「そうだね。筋トレする時は呼んで。テープは当日朝言ってね」

 

レースを万全の状態で迎えるための準備は、身体の治療以外にもある。今回やろうと思っているのは、ごく短時間の高い強度の運動を前日に行うことと、テーピングによる筋肉のサポートだ。

  

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18:00

ウェルカムパーティから競技説明会。

 

谷本先生「おらぁなぁ、ねむんいんだ!」

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10/13

14:00

色々な方の助けを借りながら、バイクやらトランジバックやらのを受託準備を進める。

 

FBを開くと高倉豪さんの引用投稿が目に入る。2014年世界王者セバスチャン・キーンレのコメントの引用だった。彼はこう言ったそうだ。「レースが終わった時にHappyなのは大事だけど、レースが始まる前にHappyなのが、もっと大事なんだ」。

 

https://www.facebook.com/go.takakura/posts/1341688625942657

 

ここに来るにあたって、どちらかというと不安な気持ちの方が大きかった。というのも、2016年7月の皆生を最後に、ここ1年以上満足のいくレースができていなかったからだ。トレーニングはうまくいっていた。しかしレースで結果を出せなかった。

2016年10月のアイアンマン台湾、権利獲得はもちろん、9.5時間切りも不可能ではないと思っていた。蓋を開けてみれば熱中症と脱水症状に苦しみ、11時間以上かけて完走した。日頃の行いがもう少し悪ければハワイに来られなかっただろう。

2017年4月の宮古島では、オフシーズンのトレーニングの成果を発揮しようと意気込んでいた。しかしバイク中盤で失速、一刻も早くレースが終わることを願い続けた。

3ヶ月後の皆生では、バイク30km地点でスポークが折れ、1.5時間の足止めを食らった。その時点で、レースは終わってしまった。復帰後はテストを兼ねてオーバーペースで走った。ラン20km地点で脚が動かなくなってしまったのは実力不足だ。皆生から帰ってきてからは、ハワイでもまた走れないんじゃないか、そんな不安を抱えてきた。

  

しかし、そんな不安は、この舞台の大きさを前にしてはミジンコみたいなものだった。アイアンマン世界選手権、世界最高のボーナスステージだ。トライアスロンの中でも特殊な種目「アイアンマン」。その完走者のうちたった上位3%が、世界中から集まる、世界最大にして最高の大会だ。もう二度と来られないかもしれないその大会を堪能するべきなのに、自分は実に小さいことにとらわれている。

 

明日は、余計なことを気にせず走ればいい。年代別の順位とか前との差なんて気にしなくていい。なんていいレースなんだ。バイク受託のため車に乗り込んだときには、憑き物が落ちた気がしていた。さらばミジンコよ。

 

20:00

明日の朝ごはんの支度。自分は米炊き。発芽玄米と白米を研ぐ。谷本先生はもち米をこねて、きなこおはぎを作る。

ぽんさん「玄米って消化悪いからあんまりよくないみたいですぅ。おやすみなさい!」

 

お嬢様、明日の朝には白米をお召し上がりになれるよう段取りしておきましょう。でもこの4人で一番胃腸強いのはあなたですよ。きっと発芽玄米に含まれる食物繊維なぞ、ものの数分で消化なさるでしょう。

 

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つづく

アイアンマン世界選手権遠征記④ー勘違いおじさんとゲジゲジ、滝汗

突然ですが質問です。滝汗をかいたことはありますか?僕はこの2週間で2度かきました。

 

 

10/10 6:07

3人揃って仲良く寝坊。

 

7:30

昨日の反省を活かし、少し遅めの時間にスイム会場へ。昨日ダメージを食らわせてきたコーヒー船を遂に発見。3人とも意気揚々と船に向かい、コーヒーを受け取る。

 

ぽん「やった!取れた!やったああああ!」

(日本語による解説:レースのダメージで剥がれかけていた足の爪が遂に取れたらしい)

エース「(コーヒーを受け取るも波に煽られ)あっち!あーっち!!」

おじさん「(ふたりとも持ってるなぁ・・・)」

 

10:00

朝スイムを終えた我々はコナの繁華街を軽くジョギング。その後は昨日寝ぶっちしたEXPOへ。ここはトライアスロン界の見本市である。各メーカー、主力商品や新製品をここで展示するのだ。

Athlete Xを塗るエースに習って日焼け止めを塗ると二人が笑い出す。おじさんが日焼け止め塗ったらそんなにおかしいか。

 

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・・・白塗りのおばけになってしまっていた。

 

 

EXPOで僕はOnのブースを訪れるつもりだった。Onの創業者であるキャスパー氏やオリヴィエ氏に会いたかったからだ。On Japanの駒田さんのブログやブランドに関するストーリーで彼らの活躍を聞いていた僕は、彼らにひと目会いたいと思っていた。そしてなぜかハワイのOnブースに行けば彼らに会えると思っていたのだ。そう、なぜかそう思っていた。

 

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そして遂に佐相おじさん(別名:勘違い野郎)はOnのブースにたどり着き、キャスパー氏と思しきスタッフの方に話しかけ、写真を撮ってもらい、その満足げな様子を意気揚々とFBにアップしたのであった。

 

12:00

 

エース「おーい佐相、駒田さんと八田さんからコメント来てるぞ。キャスパーじゃないってよwww」

佐相「え?」

 

 

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ちょっとまってくれ。俺はいま昼飯の支度で忙しいんだ。ちょっとまってくれ・・・

全てを察した自分。恥ずかしさのあまり滝のような汗が額を走る。ケタケタと笑うエースとぽんさん。伸びていくコメント数。ああ、このまま永遠に昼飯の支度を続けていたい。それが終わったらそのまま夕飯の支度を始めるんだ。

 

 

滝汗といえば。

10/23

13:00

飯田橋のLifeblood鍼灸マッサージ院へ。といっても治療ではなく、谷本先生に届け物があったのだ。

 

佐相「こんちはーっす」

先生「ありがとねー」

???「(カーテンの奥から)佐相さん、サインください!」

 

え???????

 

聞くところによると、患者さんは池田さんという方だそうだ。今回の遠征に合わせて作ったサポート選手Tシャツを購入してくださったり、治療中もサポート選手の話題が出るなど、我々の活動を応援してくださる方の一人だ。

 

池田さん「ちょっと待っててくださいねー」

 

待ってますとも。先生に渡すものありますもの。

突如滝のような汗。サイン、したことない。やべえ、どうしよう。

急遽ノートに練習するも、サインを求められたTシャツは木綿製。ペンが引っかかる。ゲジゲジになる。

 

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↑第一号サイン!練習しておきますのでまた受け取ってください!

 

ハワイの話じゃなくなってるって?嬉しかったんですよ。

 

10/10

14:00

車に乗ってバイクコースの下見へ。ハワイのバイクコースの厳しさは、アップダウンと風にあるという。実際に目で確かめておきたい。

 

 

https://www.google.co.jp/maps/@20.0619205,-155.8461369,3a,60y,315.1h,90t/data=!3m6!1e1!3m4!1sD1g6aGKTas6wQGE1YPNDiA!2e0!7i13312!8i6656

 

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・・・思ってたより激坂。重くなる車内の空気。

 

路肩に寄せて外に出る。

 

「グオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーー」

 

・・・思ってたより爆風。もし毛根に不安を抱えていたら絶対に車内ひきこもり。さらに重くなる車内の空気。

 

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↑この雲がすごい勢いで流れていきます

 

 

結論:バイクコース下見にはそれなりの覚悟が必要。

 

10/11 6:15

3人揃って仲良く寝坊。

 

10:00

朝スイムを終え、3人別々に行動。自分はバイクで軽い刺激を入れる。内陸に向かって走る道を登る。

 

https://connect.garmin.com/modern/activity/2161788857

 

たった5分ほどの坂で140m獲得。酸欠。そしてこの光景

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帰ったらエースめっちゃ寝てた。

 

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14:00

遂に谷本先生がハワイに到着、回収して、繁華街に戻る。

 

谷本先生「昼飯くおうぜー」

エース「ピザあります!」

佐相「こっちにサブウェイありますよ」

 

結局サブウェイに入ることになった。ところで日本のサブウェイに入ったことありますか?難易度高いんです。サンドイッチの種類を選び、パンの種類を選び、中身の好みを伝え、ドレッシングを選ぶ。

 

エース「ザ・モスト・ポピュラー・サンドイッチ!」

 

谷本先生、ぽんさん、佐相、一同爆笑。

 

店員「YES♡OK♡」

 

店員、見た目はおっさん、声はりゅうちぇる。

 

りゅうちぇる「Short?♡」

エース「Yes!」

 

りゅうちぇる「Bake?♡」

エース「Yes!」

 

いかん、エースがイエスマンになっている。

 

りゅうちぇる「Extra meat?♡」

エース「Yes!」

 

山のように盛られていくハム。目を大きくするエース。腹を抱える3人。

エースのレシートを見るとしっかり0.8ドル加算されていました。

エースの活躍を目の当たりにした3人、りゅうちぇるの「Extra meat?」に対しては「No thanks」を3連発。

 

次編では木曜とレース前日の様子をお伝えします。

 

つづく